フィギュアスケートのアイスダンスで2022年北京オリンピック(五輪)に出場した小松原美里(31)、尊(32)組が、4月下旬に解散を発表した。美里は現役を引退し、尊は今後について検討中だ。2人がオンラインでインタビューに応じ、解散に至った経緯やこれまでの思い出を語った。
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――小松原組の解散と美里選手の引退が発表されました。この決断に至るまでの経緯を教えて下さい。
美里 「引退については、北京五輪の前からずっと頭にありました。もし五輪に行けなかった場合、現役を続けたいのか。五輪に行けた場合、その後もスケートをする理由は何か。そういったことを考えていたんです」
「北京五輪が終わった後は、自分を後押しするためにミラノ(・コルティナダンペッツォ)五輪までのカウントダウンをSNSでしたこともありました。そのくらい『次の五輪まで頑張りたい』と思っていたのですが、お金の面も厳しかったですし、今シーズン(23~24年)は毎大会けがを抱えていました。小さなけがだけでなく、股関節が外れたこともあって大変でした」

「五輪が終わった後の最初のシーズン(22~23年)は『もっとうまくならなきゃ意味がない』と思ってやっていたのですが、精神的にすり減らした状態でスケートをしていて、バーンアウト(燃え尽き症候群)になりました。その次のシーズン(23~24年)は『失敗してもいいから、思い切ってやろう』という気持ちで臨み、やりたいことができた。自分の中で満足できたし、満足しちゃったというところです。ティム(尊)とも五輪前から話してきましたが、(今年3月の)世界選手権が終わって、少し休んでから、落ち着いた状態で話し合って決めました」
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尊 「北京五輪が終わってからは、また違う壁がありました。30歳を過ぎてけがも多くなるし、お金の問題もある。本当に難しい点がいっぱいありました。一年一年、一緒に決めていこうという気持ちで頑張りましたけど、今回、美里が考えて決めたと分かっていますので、その決断を尊重しています」
――26年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪をめざしたいと公言されていた中で、難しい決断だったと思います。
美里 「2人で一緒に滑って…